本日の稽古日記 7月24日

本日の稽古日記 7月24日_a0002763_7523482.jpg同じ枚方合気道へ稽古に通うauditorkさんもご自分の日記に書かれているが、準備体操はたいへんに重要である。
我々は毎回20分ほどかけて準備体操を行うが、これは単に体をほぐすためだけのものではない。
体操のひとつひとつが、健康を維持増進したり、合気道の技を行うための大切で基礎的な鍛錬であり、大きな意味を持つ。



実は、僕も最初はこの準備体操を「稽古を始めるための柔軟体操」くらいにしか考えていなかった。
だから、先生が前でやっておられるのを見よう見まねで、漫然と同じ動きをしていたに過ぎなかった。
ところが、先生は何を考えられたのか、ある日僕に対して、前へ出て準備体操をするように命ぜられた。
これはえらいことである。
みなさん、特に初心者の方は僕の動きを見て体操を学ぶのであるから、責任は重大である。
それ以来、体操のひとつひとつの意味を考えるようになった。
先生や先輩のみなさんに教えを乞うたり、自分で本を読んだりして勉強した。
特に大先輩であるMさんには、稽古前にいろんなことを教えていただき、たいへんにありがたかった。
その結果、体操の動きのひとつひとつが、たいへん重要であることがだんだんとわかってきた。

たとえば、前屈運動。
これは、脚の裏のすじを伸ばし、柔軟にするためのものである。
そして脚の裏のすじが柔軟であるかどうかは、健康上たいへんに大きな意味をもつらしい。
僕は合気道をはじめるようになってから、一日中立ちっぱなしであっても、それほど疲れなくなってきたが、これも体操を続けた賜物ではないかと思っている。

また、足指、足首、足の裏をほぐす体操がある。
ある日テレビでこの体操が取り上げられ(健康法に関する番組であったと記憶している)、この体操を毎日継続すると、10年は長生きできるというようなことを言っていたと思う。

後方転倒体操、手首の体操、船漕ぎ体操、一教体操等は、合気道の技を行ううえで基本となるものである。
これを繰り返し稽古することにより、合気道の技を行うための基本的な体の動きが体得できるようになっている。
合気道の技を行うことは、合理的な体の使い方をするということなので、これが健康に直結しているのは言うまでもない。

それから、われわれは「イチ、ニ、イチ、ニ」と掛け声を出して体操をするようにしているが、この声を出すこともたいへんに重要である。
声を出すことは息を吐くことであり、これが気を出すことにつながる。
大きな声を出すことにより、炭田の強化にもつながる。

だから、準備体操に真摯に取り組むことが、合気道の上達、ひいては自分の心身の健康増進に大きく寄与すると考えている。
先生は遅刻をすることを一切とがめたりはされないが、遅刻をしないできちんと準備体操をするのは、自分のためだからである。
「遅刻をするな」と言うのは簡単であるが、人から言われてやることには何の意味もない。
何ごとも、自分で気づいて、自覚してこそはじめて意味があることになる。
ここにも、先生のたいへん深い思慮と愛情を感じる。

僕は結局三年ほど、前で体操をやらせていただいたが、たいへんに良い経験をさせていただいたと感謝している。
体操の担当になられた方には、この機会を存分に活かしていただきたいと願う次第である。
by hotshark | 2005-07-29 07:07 | 合気道稽古日記
<< 川原町屋 小鶴くろ >>