中村天風と植芝盛平 氣の確立

中村天風と植芝盛平 氣の確立_a0002763_8155520.jpg『中村天風と植芝盛平 氣の確立』
・著者:藤平光一
・2005年6月10日 第1刷発行
・発行所:幻冬舎

mixiで知り合った方に教えていただいた本。
また、中村天風先生のことを知るきっかけになった本(これまでお名前は存じ上げていたが、本を読む気にはならなかった)。
こういうことが起こるたび、僕は不思議な力を感じるのである。



藤平先生は、このお二人の方を人生の師と仰いでおられる。
その中で藤平先生が体験されたこと、お感じになったことなどを、著しておられる。

藤平先生がお二人の先生から学ばれたこと。それは・・・

中村先生からは、「心が身体を動かす」こと。
植芝先生からは、「リラックスする」こと。

それを、二人の先生に師事する中で体得されたということである。
これらのことが、藤平先生の心身統一道の教えに通じている。

印象的だったのは、藤平先生が合気会から離脱された経緯や理由を述べられているところ。
以下、同著p.199より。

ところがやがて、吉祥丸二代目道主と私との間にある、合氣道に対する根本的な考え方の食い違いが明確になっていった。二代目道主にしてみれば、私のことがうとましく思えたことだろう。
二代目道主は、合氣道を「人の氣に合わせるの道」と解釈していた。しかし私にしてみれば、合氣道とは「心身を統一して天地と一体になる。すなわち天地の氣に合する道」なのである。
考え方がこれだけ違えば、当然ながら指導法も技も、ずいぶんと異なるものになる。同じ道場内に、異なった二つの理念が共存することなどできないのだ。


僕は、「天地の氣に合する」、すなわち「宇宙と一体になる」ことを目指している。
一般の方からしてみれば、非常に突拍子もないことに聞こえることであろう。
でも、僕は合気道の稽古を通じ、今の先生の教えを通じ、自然にそういう気持ちになってきた。

それはともかく、文庫本なので値段も手ごろだし、文章もたいへん読みやすい。
合気道を稽古されている方には、ぜひご一読いただきたい。
by hotshark | 2005-07-09 08:17 | 本について
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