半農半Xという生き方

半農半Xという生き方_a0002763_618621.jpg10年くらい前から、いろんなことに対して「このままでいいのだろうか?」と思い続けてきた。

  このまま、拡大・発展を前提とした経済活動に加担していていいのだろうか?
  このまま、自分の子供を受験戦争へ放り込んでいいのだろうか?
  このまま、今の会社と仕事を続けていていいのだろうか?・・・・・

会社の近所にある書店に入り、ふと見つけたこの本。
思わずすぐに買い求め、一日で読んでしまった。
僕が長い間悶々としていたことに対するひとつの答えが書かれており、また著者がそれを実践されておられることに感銘を受けた。

『半農半Xという生き方』
・2003年7月19日 初版第1刷発行
・著者:塩見直紀
・発行所:ソニー・マガジンズ

以下、本文から引用させていただく。

天の意に沿って小さく暮らし、天与の才を世に活かす生き方、暮らし方を一九九五年ごろから、私は「半農半X」と呼ぶようになりました。
それは、小さな農業で食べる分だけの食を得て、ほんとうに必要なものだけを満たす小さな暮らしをし、好きなこと、やりたいことをして積極的に社会にかかわっていくことを意味します。天の意に沿う暮らしとは大量生産・輸送・消費・廃棄に訣別する循環型社会を意識するものです。天与の才とは人それぞれが持っている個性、長所、特技を指します。

(中略)

私が「半農半X」という生き方に辿り着いたのは、屋久島在住の作家・翻訳家である星川淳さんの著書の中で、自身の生き方を表現した「半農半著」(エコロジカルな暮らしをベースにしながら、執筆で社会にメッセージする生き方)というキーワードに出合ったのがきっかけでした。

(中略)

もしかしたら、みんな、自分の「X(未知なる何か)」を探しているのかも知れない。ある日、その「半農半著」の「著」の部分に「X」を入れてみたのです。すると・・・・・・。
もしかして、これは私たち一人ひとりが社会的な問題を解決していくために、積極的にかかわっていけるひとつの公式になるのではないか、と思うようになりました。
また、この困難な時代を永続して生きていくための「小さな農」と、世に活かす「天与の才」、つまり「X」の二つが今、同時に必要なのではないか、そう確信するようになったのです。
循環型社会を目指す暮らしをすること、日常のあらゆる局面に愛と喜びを感じること、自分がこの世に受けた生をまっとうすること、そして自分がコントロールできる範囲で世の中に積極的にかかわっていくこと・・・
そんな生き方ができないか、ぼんやりと僕は考えてきたが、著者である塩見さんは、それを実践されている。
僕は、言うに言われぬ不安と焦燥に悩まされ続けているが、そんな僕にこの本は生きる勇気を与えてくれた。

さて、じゃあ、自分の「X」は何なのか?
それを探し求めて、僕は今日もキーを叩く。

塩見さん、本当にありがとうございました。
by hotshark | 2004-08-29 06:12 | 本について
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