「松葉杖通勤」開始

僕の今回の怪我は、中症程度の「足首関節捻挫」だ。
おそらく、外側側副靭帯損傷であろう(切断には至っていない)。
症状についていろんなサイトを見て回ったが、ここがわかりやすいので、興味がおありの方は参考にしていただきたい。

さて、今週の月曜日から、出勤をはじめた。
医師からの指示通り、両松葉杖を使って通勤する。



■3月28日(月)
昨夜から、雨が降っている。
雨天は、松葉杖歩行にとっては、致命的。
第一に、傘がさせない。
第二に、濡れた路面は滑りやすく、非常に危険。
上司に連絡をして、雨がおさまるまで通勤を見合わせることにする。

10時過ぎに、雨が小降りになったので、出かける決心をする。
両手が使えないため、リュックサックを背負う。
みっともないが、仕方がない。
自宅から自宅最寄り駅までは、家族が車で送ってくれる。
この駅にはエレベーターがついているので安心。
心配していた路面の滑りもなかった。
電車もこの時間は空いているので、座っていける。

問題は、電車を降りてからだ。
会社最寄り駅である淀屋橋駅は、バリアフリーとはほど遠い駅だ。
まず、ホームが縦に長く、電車の停車番線によっては、かなり歩かねばならない。
次に、ホーム階と改札階をつなぐエレベーターがない(3/31に開通するそうだが)。
それから、改札が狭い。
さらに、改札階と地上をつなぐエレベーターも存在しない。
しかもエスカレーターは、上りのみしかない。

淀屋橋駅から会社までは、健康時の僕で徒歩10分強の距離だ。
一日だけならタクシーに乗るのだが、松葉杖にも慣れなければならない。
医師によると、ギブスをはずしても松葉杖が不要になるとは限らないとのことだから・・・
しかし、この距離を松葉杖で歩くと思うと、うんざりする。
今日はいったい何分かかるだろう。

ある方の指導に基づき松葉杖歩行の練習をしたので、随分ラクになった。
かなり早く歩みを進めているつもりでも、どんどん追い抜かれる。
30メートルほど前方に、年配の女性4~5人がゆっくり歩いておられるが、どうしても追いつけない。
まだ慣れないせいもあり、歩行には想像以上体力を使うので、2~3分に一度は立ち止まって休憩を入れないとつらい。

正確には計測しなかったが、30分くらいかかって、ようやく会社に到着。
時刻は、12時少し前。
パソコンのスイッチを入れる手が震える。
しばらくは、キーボードもうてない。

上司や関係者に挨拶をし、仕事にとりかかる。
普段は意識しないが、デスクワークでも立って歩く機会は多い。
パソコンからのプリントアウトを取りに行くとき。
コピーをとりに行くとき。
社内便を出しに行くとき。
トイレに行くとき。
飲み物を買いに行くとき。
離れた場所に座っている人に話をするとき・・・
いちいち松葉杖を使うので、動作が大袈裟になる。
周囲の人たちが「手伝いましょうか?」と気遣ってくれる。
「ありがとう。でも、大丈夫です。慣れないといけないので・・・」と返事をする。

社内で人に会うたびに、ギブス+松葉杖姿を見て驚かれる。
事情を知ってる人には説明は不要だが、知らない人にはそれぞれに説明する。
今日はいったい何人に同じ説明をしただろう・・・

夕方になると鬱血をするのか、ギブスがきつくなってくる。
足指が紫色に腫れ上がり、感覚が鈍くなっている。
患部もやや痛む。
少し無理をしたかな・・・

足も心配だし、帰宅ラッシュを避けるため、17時過ぎに会社を出る。
やはり30分近くかけて、ゆっくりと淀屋橋駅へ歩みを進める。
淀屋橋駅近辺は、結構人が多い。
帰宅ラッシュは、すでに始まっているようだ。
松葉杖で階段を下りるのは、かなり怖い。
自分が怪我をした場所でもあるので、余計に怖い。
気を抜かず、一歩一歩確実に降りる。
それでも、何度か階段の滑り止めでつまづいたり、人に押されて転倒しかける。
みんな、そんなに急いでどこへ行くのかな・・・
自分も普段はそうなんだろうな・・・

ホームもすでに人が多い。
3台目の電車に並び、ようやく座る。
しかし、疲れた。もう、ぐったりだ。
体力には多少自信があったが、それは脆くも崩れ去った。
電車の中で猛烈に眠くなり、目を閉じる・・・

しばらくして、誰かが僕の肩を叩く。
熟睡していたようで、自分が一瞬どこにいるのか、わからなかった。
乗った電車が自宅の最寄り駅止まりの電車なので、親切な乗客の方が寝ていた僕を起こしてくださったのだ。
そうでなければ、ずっと先の駅まで寝過ごしていたところだ。

あらかじめ家族に連絡をしておいたので、車で駅まで迎えに来てくれた。
しかし、本当に疲れた・・・
by hotshark | 2005-03-30 12:58 | いわゆる日記
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